ブログ記事で過去の自分に語りかけるメリット5つと「みんな」を対象としてはいけない理由

こんにちは。青柳です。主婦の友社のWEBメディア「OTONASALONE(オトナサローネ)」で働く女性の肩こりや腰痛に関する記事を執筆しています。素人ライターだった私がプロライターとして執筆することになり、日々学びながら得たライティングの知識と経験をシェアします。

ターゲットは「過去の自分」に絞り込め

前回の記事で、文章の冒頭ではまず自己紹介をすることをお話ししました。

自分の過去と、その時に比べて知識や経験を得た現在の自分を紹介することで、読者は自分自身と過去のあなたをリンクすることができます。

ですから、ターゲットとなるのは過去のあなたそのものです。

では、なぜそのような展開をするのがよいのでしょうか。前回の記事でもお話したとおり最大のメリットは、記事の説得力が増し、読者の共感を得やすいからです。

しかしそれ以外にもメリットはあります。私が考える、過去の自分を記事のターゲットとすることのメリットは以下の5点です。

1.みんなの難題「ターゲットを絞る」がスムース

すでに記事を書き始めて少しでも勉強したあなたなら、ターゲットが広すぎると記事の内容がぼんやりして誰にも刺さらない、ということはご存じでしょう。

極力、自分に当てはまらない要素を排除していくことで、ターゲットがより明確化します。

しかし、単純にターゲットを絞れと言われても、どんな人に照準を合わせればよいか迷ってしまいませんか?そうすると、大胆な絞り方ができなくなるものです。

ところで、私は考えました。このシリーズも「ライティング初心者向け」としているけれど、まだまだ広い。そこで、もっと過去の私に近い「美容・健康系のサロンを運営する女性向けのライティング」にいまから変えることにしました。

急に当てはまらなくなってしまった皆さま、ごめんなさい。さようなら。

このように、「より自分に近づける」という方法を取れば、どこに照準を合わせて絞っていけばよいのかが分かりやすくなるのです。

2.自分のことだけ書けばよい=書くのが楽

せっかくここまで読んでくれていた人を手放してしまってよいのか、と思われるかもしれませんが、よいのです。

その代わり、「美容・健康系のサロンを運営する女性」のあなた、「この記事はまさに私に当てはまる」と思ったでしょう?

当てはまったあなたには、いますぐやってほしいお願いがあります。前回の記事で自己紹介を作っていただきました。最初に名乗るところで、「△△(地名・地域)で××(職業)をしている○○(名前)です」としてください。あなたの活動しているエリアや店舗を構えている地名を加えてほしいのです。

実は当初、ネット販売ビジネスなどをしている人も多いので、地名については言及しなかったのです。しかしサロン運営となると場所が重要ですから、入れましょう。

このように、ターゲットが広いと色々と考慮してしまって内容が薄くなることが多い。ターゲットを絞り込むことで、あなたの話の内容が「あなたと近い人にとっては」がっちりハマり、より有益なものとなるのです。

ターゲットを狭めることは勇気の要ることですよね、分かります。でも、その方が、あなた自身が書きやすくなるのは間違いないですよ。

3.読者の「他人に理解されない悩み」の理解者となれる

よく、読者の気持ちを想像して書くべきだと言われますが、他人の気持ちなんて分からないですよね。ハッキリ言って。

ちょっと昔話をします。私が大学生の頃、友人のAちゃんと授業の合間にマックでコーラを飲んでいました。

Aちゃんはずっと浮かない顔で「カレシに2時間も前にメールしたのに返事がない」と言っています。

いまのように既読機能のついたLINEなんてありませんでしたから、「まだ読んでないんじゃないの?」と言ったところ、

「2時間も前に送ったのに?」とAちゃんは言うのです。

2時間しか経ってないのに…と内心では思いつつ、「バイトじゃないの?」と言えば「今日はバイトの日じゃない」と言うし、「寝てるんじゃないの?」と言えば「こんな時間に2時間も寝る!?」と言うのです。いや、知らんがな。

そして最後には、「何してるんだと思う?」と陰鬱な表情で私に問いかけます。いや、知らんよ。知らん。カレシが何をしているのかも分からないけど、Aちゃんの悩みの方がもっと分からない。なぜそんな些細なことに心を悩ませているのか。きっと、多くの人がそう思うでしょう。

Aちゃんの悩みに共感してくれる人は少ない。

そこへたまたま、あなたが「カレシから連絡が少しでも来ないとすぐに不安になっていた過去の自分」に向けて記事を書いたとします。

他人に理解されない・なかなか言えない悩みがあると、人はネットの世界に頼ります。Aちゃんはきっと、あなたの記事を見つけるでしょう。

そしてAちゃんは、あなたの書いた記事を隅から隅まで読むでしょう。いつの間にか、あなたのファンになっているはずです。

4.「愛のあるアドバイス」の発信者となれる

上記のAちゃんに向けて、私が記事を書いたところで、それがいくら正論だとしてもAちゃんには刺さらないでしょう。

しかも、説教臭くて自分でも書くのがイヤです。そのうえ、やっぱり遠慮もあって中途半端なことしか書けないでしょう。

けれど、もしも過去の自分に向けて書くとなれば、そのような遠慮の必要がなく刺さるメッセージを発信することができます。また、無意識のうちに文章に出てしまう「他人事」っぽい感じもなくなります。

人間、誰しも自分が一番可愛いものです。自分の悩みを解決するためとなれば、情熱をこめて語ることができるのです。

5.マンツーマンの個別指導ができる

ライティングでは「特定の誰かに向けて語りかけるように書く」というのが鉄則です。

講義のように大人数に話しかけてはいけないのです。

講義を受けていると、眠くなりますよね。そして、寝ますよね。つまり、読者があなたの記事から離脱してしまうのです。

でも、家庭教師のようにマンツーマンであなたの隣りで熱心に話してくれていたら、成長期の子供でない限り、まぁ寝ないですよね。

しかし、話しかける相手が想像上の誰かだと、イメージが曖昧で難しいのです。

「友達や家族などを思い浮かべて書く」ということもよく推奨されますが、上述のとおり他人へのアドバイスとなると、ズバッと書けなかったり、逆に説教臭くて反発を招いたりするものです。

で、結局、「いや、あなただけがダメというわけでなくて、一般的にこういうことをしてしまいがちじゃないですか」みたいな感じに逃げてしまうのです。一番やっちゃいけないやつ。

話しかける相手は自分一人、と決めてしまえば、ガッツリ隣りに座って話せますよね。どんな問題を抱えていて、どんなことに疑問を持って質問をしてくるかも、分かる。あなたが書くべきことが分かるのです。

以上5点が、「ブログ記事で過去の自分に語りかけるメリット」です。似たようなことを角度を変えて話しただけのようでもありますが、それだけ大事ということです。

みんなが気になることをテーマにしてはいけない理由

この答は、簡単です。こういったテーマは、大きなドメインパワーを持っている企業などの媒体の主戦場だからです。

個人で弱小サイトを運営しているあなたに勝ち目はありません。

このことは、私は「OTONASALONE(オトナサローネ)」で執筆させていただくようになって身に染みて分かりました。

いかに「多くの人に読まれる」かが重要なので、できるだけ多くの人が気になるようなテーマで、プロのライター達が試行錯誤して執筆しています。

そのうえ、SmartNewsなどで勝手に表示されてくるわけですから、わざわざ検索してその情報を探していない人の目にも触れるのです。「別にそこまでじゃないけど、ちょっと気になるな」くらいのノリでクリックされます。それを狙います。

ただ逆に、こういったサイトでは「どこかの誰かの些細な悩み(本人にとっては大きな悩み)」について書かれることは比較的少ないのです。

私も「足の小指にだけいつもタコができて繰り返す」というかつての悩みについて書きたいところですが、提案したところで恐らく却下されるでしょう。

だからこそ、過去のあなたが「個人的に」必要だった情報=あなたの知識と経験をそのまま書きましょう。

ちょっと長くなりましたが、今回はここまでです。あなたが書くテーマ、ネタがこれで決まってくるはずです。箇条書きでもいいので書き出しておいてください。

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