いつまでも安静にしていたら治らない。胆のう摘出手術を受けたときの話。
応急処置の方法の頭文字をとって「RICE処置」。言葉は聞いたことがなくても、経験で知っているのでは。R=Rest(安静)、I=Ice(冷却)、C=Compression(圧迫)、E=Evelation(拳上)です。出血しているとき、腫れているとき、RICE処置を適切に行なえば治りが早くなります。いざというときは、RICE処置を思い出しましょう。
応急処置を長く続けていては、かえって治りが遅くなる
これらの処置はすべて、血行を悪くする行為です。血が出ているのを止める、腫れて熱をもっているのを冷ます、といった目的には適っていますが、もう血が止まっているのに、熱もないのに、血の巡りを悪くすれば、良くなるものも良くならないのです。
数年前に、胆石ができて胆のう摘出手術を受けました。腹腔鏡手術(お腹を3~4箇所切開して小さな穴を開け、そこから内視鏡を通してモニターに映し出された映像を見ながら行う手術)でした。切開するのはそれぞれ1.5~2cm程度ですから、手術後は縫ったりせずに、自然に皮膚がくっつくのを待つだけです。
使えなくなって初めて気づいた丹田
いくら切開の範囲が小さいといえど、お腹を切っていることには違いないので、麻酔が切れれば、まぁ痛い。すっごく痛い。手術する前より痛いじゃん!と、胆石とともに生きることを選べばよかったんじゃないかと少し後悔しました。
仰向けになった状態で、脚の位置をちょっとだけずらしたい、と思って動かそうとした瞬間の激痛よ。脚ってこんなに重いのか(゚◇゚;)、脚ってお腹に力入れないと動かないのか( ;∀;)、と思ったものです。
翌日には導尿カテーテルを外され、自分で歩いてトイレに行くように言われました。しかも、病室の目の前にあるトイレではなく、廊下の一番端にあるトイレを使え、と。「いやいや、昨日切ったばっかりですやん、スパルタすぎだろ…」と看護士さんが恨めしく思えましたが、痛みに堪えつつも従順に言いつけを守ったおかげで回復も早く、予定より早く退院できました。
少しくらい痛くてもどんどん動いた方が回復が早い
動けば血行が良くなりますから、早く回復するのは当たり前です。でも、まだ痛いから動くの嫌なんですけどね。。ホントに痛いので、動いて大丈夫なんだろうか…と少し不安になる気持ちも分かります。でも動いた方がいいのです。残念ですけど、ここではもう根性見せるしかありません。
それに、手術後の場合は動かないと腸閉塞になる恐れもあります。ちなみに腸も筋肉で動いています。不随意筋といって、勝手に動いてくれていますが、寝たきりでいてはその動きも弱まります。
ぎっくり腰でいつまでもコルセットを巻いているのも、運動したら筋肉痛になったからって動かずにいるのも、回復を遅くします。多少痛くても、腫れたり熱を持っている状態でないなら、動いて大丈夫です!むしろ動くべきです!がんばりましょーう(言うは易し)。
ストレッチインストラクター。13年間のデスクワークの後、ストレッチと体幹運動で重い冷え性と生理痛を克服。デスクワーカー向けのストレッチレッスンをしています。
主婦の友社のウェブメディア「OTONASALONE(オトナサローネ)」でヘルスケアライターとしても執筆中。