前屈ができない・・・体が硬いのはデスクワークのせい?
体を前に倒して手がピタッと地面に着きますか?
私なんて、以前はスネの途中くらいまでしか行きませんでした。
でも、いまでは、調子がよければ自分の足の指に触れるくらいまでには前屈できるようになりました。
今回は、前屈ができるようになるストレッチとエクササイズをご紹介します。
前屈が苦手なのはなぜ?関節が硬いから?
関節そのものは、骨と骨の連結部です。膝の関節なら、モモの骨とスネの骨のつなぎ目です。
骨自体は曲がったりしないので、膝を曲げたり伸ばしたりできるということは、関節を境に骨と骨とを動かしていることになります。
膝の関節を動かす時には、モモの骨とスネの骨をまたいで繋いでいる筋肉が働きます。
ということは、「関節が硬い」というとき、本当は、筋肉が硬いのです。
厳密にいうと、その関節を動かすための筋肉が硬いのではなく、その動きをするときに伸ばされる反対側の筋肉が硬いのです。硬いというか、伸びないのです。
その伸びない筋肉が邪魔をして、思うように体が動かせなくなってしまっています。
では、ちょっとお手数ですけど、いま、前屈をしてみてください。
これ以上もういかない、というところで止まってください。
膝裏からふくらはぎにかけてメッチャ痛くないですか?
「自分、なんかすごい引き伸ばされてますけど、もう伸びません!」ていう筋肉の叫びが聞こえてくる感じで痛くないですか?
あ、もう体を元に戻していただいて結構です。お付き合いいただきありがとうございます。
前屈をする、ということは、股関節を曲げるのと、膝の関節を伸ばすのを一緒に行う動作です。
で、さっき痛かったのは、膝の関節を伸ばすのとは反対の動作、膝の関節を曲げるときに働く筋肉(腓腹筋)です。
こいつがビヨーンと伸びてくれればもうちょっといけそうなのに、なんだか邪魔をしているんですなぁ。
あと、ふくらはぎほど痛みを感じないかもしれませんが、実はハムストも邪魔をしています。ハムストも膝に近い方は膝を曲げるときに働きます。
こちらもやっぱり、伸びなくなってしまっているのです。
デスクワークをしているとハムストとふくらはぎが伸びなくなる
もうお馴染みの画像ですが、↓のように、座っている状態では膝の関節は曲がっています。
膝を曲げた状態をずっと続けていると、膝を曲げるために縮んだ筋肉がその長さをキープされることになります。
すると、だんだんとその長さで固まってしまい、短くなったまま戻らなくなってしまうのです。
このようにして柔軟性を欠いた筋肉は、いざ伸ばされるような動きをしても、なかなか伸びてくれません。
なんかもう、凝り固まって頑固になってしまっているのです。
反対に、膝を曲げたことで、前モモとスネ側の筋肉は伸ばされています。
こっちはこっちで、伸ばされた長さでキープされているので、いざ縮めようとしてもなかなか縮みません。
伸び伸びに伸びきった筋肉はパワーがありませんから、動きがなんだかしょぼくなるのです。
前屈の話に戻りましょう。
前屈は、股関節を曲げるのと同時に膝関節を伸ばす動きです。
デスクワークをしている人は、膝関節を伸ばす、という動作がうまくできなくなっている可能性があります。
膝関節を伸ばすための前モモとスネの筋肉が弱くなっていて、同時に、モモ裏とふくらはきの筋肉が動きを邪魔してしまうからです。
ちなみに、これはデスクワークのようにイスに座る姿勢を維持し続けるような場合だけでなく、正座でもあぐらでも、膝を曲げ続けていたら同じことです。
膝の裏の筋肉をストレッチして膝が伸びるようにする
前屈ができるようになるには、膝を伸ばす筋肉を強くするか、膝の裏側で伸びない筋肉を伸びるようにするか、あるいはそのどちらも、をやるのがよいのです。(股関節ももちろん、重用なのですが、今回はとりあえず膝の話にします。)
膝を伸ばす筋肉を強くするためにはスクワットが最強です。スクワット、ぜひやってください!
※スクワットについてはこちらの記事で紹介しています。
今回は、伸びない方の筋肉が伸びるようになる方法をご紹介します。
まずは、短くなってしまった膝裏の筋肉を、ストレッチで伸ばしましょう。
やり方は、下の写真のように、片方の膝に、反対側の自分の足を乗せるだけです。
膝のお皿の上(モモ寄り)に足を乗せましょう。
ポイントは、伸ばしている方の足のかかとをぐっと向こう側へ突き出すことです。
あと、股関節をちゃんと起こして座るようにしてくださいね。後ろにふんぞり返ってはいけません。
膝の裏が伸ばされている感じがしますよね。
前屈した時に痛かったふくらはぎの辺りにもストレッチがかかっていることを感じると思います。
1分間、それを続けて、反対側もやりましょう。
スネの筋肉を強くして膝が伸びるようにする
膝を伸ばす筋肉は、前モモとスネ側にあります。
ふくらはぎが伸びないということは、ふくらはぎの力が強すぎて反対のスネの力が弱い、ということでもあります。
そこで、弱くなってしまっているスネの筋肉を鍛えましょう。
やり方は簡単です。
足を逆ハの字に開いて、片足ずつ、かかとを地面に着けたままつま先だけ持ち上げます。
これを、右・左、交互に続けてください。
スネの筋肉がギュッギュッと縮められる感じがすると思います。
同時に、ふくらはぎ側は伸ばされる感じがしますよね。
このエクササイズは、足の冷えやむくみにも効果的です。以下の記事でご紹介していますのでご参照ください。
ちなみに、私は上記のストレッチとエクササイズをする前と後でそれぞれ前屈をしてみました。
やる前はつま先に手がつかなかったのに、やった後はつくようになりましたよ。
体が柔らかいかどうかより、苦手な動きをなくすことが大事
ところで、前屈ができるようになったからって、何がいいんでしょう。
落ちているものを拾いやすくなる?
いや、しゃがめばいいじゃないですか。
むしろ、横着しないでちゃんとしゃがむべきです。
前屈が苦手だからって、困ることはありません。
でも、苦手な動作があるということは、体のどこかに筋肉の縮こまりやこわばりがあるということは確かです。
筋肉の縮こまりやこわばりは、血の巡りを悪くします。
血行不良は、痛み、冷え、むくみなどを引き起こす原因となります。
だから、苦手な動作を見つけたら、それが苦手じゃなくなるようにする、というのは大事なことなのです。
それに、ただ毎日ストレッチやエクササイズをするだけより、それによって何かができるようになった、というのは、ちょっとモチベーションの維持に貢献するような気がします。
どうせやるなら、ちょっとでも楽しく、がいいですよね♪
ストレッチインストラクター。13年間のデスクワークの後、ストレッチと体幹運動で重い冷え性と生理痛を克服。デスクワーカー向けのストレッチレッスンをしています。
主婦の友社のウェブメディア「OTONASALONE(オトナサローネ)」でヘルスケアライターとしても執筆中。