手話をお使いになる方へ。肩こりを予防するためのストレッチ
母が手話通訳の仕事をしている関係で、聴覚障害をお持ちの方にも整体やストレッチ教室にお越しいただけることがあります。
私も、施術やストレッチで使う簡単な会話はできるように、少しずつですが手話を覚えていきたいと思っています。
手話を使う人は、どうしても肩がコリます。
今回は、手話を使う方はなぜ肩がこりやすいのか、と、肩コリを予防するためのストレッチの一つをご紹介したいと思います。
手話を使わない人にも役立ちますので、ぜひご参考になさってください。
肩こりは、うでの使いすぎから始まります
下のホネコさんの写真をご覧ください。
筋肉がない状態で何もしなければ、ふつうはこのようになっています。
でも、腕を前に出したり、ヒジを曲げたりするための筋肉を使いすぎて、ちぢみすぎてしまうと、下の写真のようになります。
違いがおわかりになりますでしょうか。
骨だけだと分かりづらいので、肉があると、下のようになります。
肩が内側に入って、手のひらもうらがえっています。
筋肉がちぢこまっていなければ、手のひらは、こちらを向くはずなのです。
皆さんの手のひらは、どちらを向いていますか?
おもてを向いていますか?体の方に向いていますか?それとも、うらがえっていますか?
あおむけで寝るときも同じです。手のひらは天井を向いていますか?体の方を向いていますか?それとも、地面を向いていますか?
うらがえって地面を向いている方が多いのではないでしょうか。
これは、しかたのないことです。
ふだんの生活で何かの作業をするとき、どうしても腕を前に出して、ヒジを曲げていることが多くなります。
だから、腕を前に出したり、ヒジを曲げたりするための筋肉がちぢこまっていってしまうのは、だれでもそうなのです。
うでの筋肉がちぢまると肩が痛くなるのはなぜ?
いつも同じ筋肉ばかり使っていると、使いすぎの筋肉はちぢまって長さが短くなっていきます。
手話を使う方は、とくに、腕を前に出して、ヒジを曲げる動きが多くなります。
さらに、手首を内側に曲げたり、手をグーにしたりする筋肉も、たくさん使われます。
短くなった腕の筋肉が、肩の筋肉を引っぱって伸ばしてしまうのです。
引き伸ばされた筋肉は、パンパンに張ってしまいます。
そのため、肩が痛くなってしまうのですね。
腕を前に出す、ヒジを曲げる、手首を内側に曲げる、手をグーにする、これらの動きのために使われる筋肉は、すべて腕の手のひらの面にあります。
だから、腕のそちらがわの面の筋肉を伸ばしてあげることが大切です。
うでの筋肉をストレッチしよう
腕の、手のひら側の面にある筋肉を伸ばすストレッチをご紹介します。
このストレッチでは、腕だけでなく、腕を前に出すときに同時に使われる胸の筋肉も伸ばせます。
まず、手をうしろにまわして、組みます。
次に、親指を地面にそわせるようにして、手を返します。
肩甲骨(背中の上のほう)が真ん中に寄せられるはずです。
下の写真を参考にしてください。
少しずつ、腕を上にあげます。
痛いときは、無理をしないでください。すこし痛いけど気持ちいい、くらいのところで止まってください。
そのまま、1分間、続けてください。
息は止めずに、ゆっくり呼吸をしてください。
イスに座っているときでも、背もたれがなければ同じようにできます。
ちぢこまっている筋肉が伸びると、血のめぐりがよくなります。
毎日、腕を使ったぶんだけ伸ばすつもりで、やってみてくださいね。
伸びてしまっている肩の筋肉は、これ以上伸ばさないようにしてください。
下の写真のようなストレッチは、さらに肩の筋肉を伸ばしてしまうので、やらないようにしましょう。
ストレッチインストラクター。13年間のデスクワークの後、ストレッチと体幹運動で重い冷え性と生理痛を克服。デスクワーカー向けのストレッチレッスンをしています。
主婦の友社のウェブメディア「OTONASALONE(オトナサローネ)」でヘルスケアライターとしても執筆中。