お腹の脂肪と筋肉の話・部分痩せでません・腹筋運動やめましょう・腹式呼吸しましょう、の3点盛り。
いきなり残念なお知らせで恐縮ですが、脂肪を落とすという意味でのいわゆる「部分痩せ」はできません。
まず、運動に必要なエネルギーを生み出すのは、血中の酸素と糖です。糖が不足して初めて、代わりに脂肪が使われます。逆に糖が余ると、肝臓に運ばれ脂肪が合成されます。
つまり、ちょっとくらいの運動では脂肪は減らないし、運動しなければ糖が脂肪になるのです。糖質制限ダイエットは、糖が脂肪になることに着目したものでしょう。
ちなみに、脂肪は糖よりも長期的かつ大量にエネルギーを貯蔵することができるそうです。そう考えると、余った糖を脂肪にしておけば、いざというとき(食物を摂取できないとき)の備えになりますね。体は実によくできている。
腹筋運動をたくさんすればお腹のまわりの脂肪が燃焼するんじゃないの?と考えがちですが、そうではないのです。
脂肪には、上記のとおりエネルギーを備蓄する役割以外にも、体を温めるとともにクッションの役割があります。特にお腹のような内臓を守る必要がある部位の脂肪は落ちづらいのです。
「腹筋運動」は時代遅れ。もう誰もうさぎ跳びをやらないのと同じ。
腹筋運動をしてもお腹の脂肪は落ちませんが、お腹の筋肉は大きくなります。
しかし、米軍の体力測定では既に、「腹筋運動」が腰を痛める原因になるとして除外されています。
体を起こす際に腰が引き伸ばされるため、痛めるリスクがあることは容易に想像がつきます。
それに、筋トレでもストレッチでも反動をつけるのは危険です。
腹筋を鍛えたい場合はプランクの方がいいです。
腹式呼吸でインナーマッスルを鍛えれば、体幹も代謝もUP!
呼吸では、吐くときに腹部の筋肉(内側から、腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹直筋)を使います。特に、最もその大きな役割を果たしているのは腹横筋です。この腹横筋は腹部を覆う4枚の筋肉の中で最も内側にあるインナーマッスルです。腹式呼吸により腹横筋が鍛えられれば、体幹も強くなります。
それに、腹横筋は恥骨まで繋がっていますので、特に女性はこの筋肉が弱まっていると、くしゃみや激しい咳をしたときに尿漏れを起こしてしまうことがあります。
吐くときには胸郭の筋肉も使われるのですが、お腹の筋肉を使わずに胸だけで呼吸をする人が多いようです。それによって腹部の筋力が弱まり、腹式呼吸ができないという人も結構います。普段使えていない筋肉が使えるようになれば、血行が良くなり代謝も上がります。
そういえば、こんなの↓流行りましたね。インナーを鍛えただけでこんなにムキムキになることは・・・まぁないでしょう。が、代謝と呼吸の関係を広めたことは大きな功績。
ストレッチインストラクター。13年間のデスクワークの後、ストレッチと体幹運動で重い冷え性と生理痛を克服。デスクワーカー向けのストレッチレッスンをしています。
主婦の友社のウェブメディア「OTONASALONE(オトナサローネ)」でヘルスケアライターとしても執筆中。