巨人・坂本(勇)よ、腰痛を防ぐためにはまず、立ち姿勢を直すべし
藪から棒に何の話だとお思いでしょうが、私が応援している読売ジャイアンツの坂本勇人選手が、6月24日のスワローズ戦ではベンチ入りしませんでした。コンディション不良という情報しかありませんでしたが、今日のカープ戦には出場していたので一安心です。
坂本選手は、自身でも腰痛持ちであると語っています。野球民が集まる某掲示板では、「人工芝で負担の大きいショートを10年も守り続けていれば腰も悪くなる」などとよく言われていますが、私はそうは思いません。
坂本選手の腰痛の原因は、お腹突出しの立ち姿勢にある
さて、お腹突出しの立ち姿勢とは、良い(ひどい)例がこれです。
そうそう。私のプロフィールページにも載せていますが、かつての私の立ち姿勢はひどいお腹突出しの姿勢です。
では、お腹突出しの姿勢の何がいけないのでしょうか。
姿勢には0度というのがあります。
下の図のように、耳・肩峰・大転子・膝・土踏まずが一直線上にある状態です。
0度の姿勢だと、筋肉を使わずに立っていられます。体のどこにも力が入っていないのです。
矛盾するようですが、体中の筋肉を少しずつ万遍なく使えている状態とも言えます。
この姿勢が、重力に対する抵抗が最も少ない姿勢です。
対して、お腹突出しの姿勢はどうでしょう。
下図のとおり骨盤が後傾し、耳・肩峰・大転子・膝・土踏まずはバラバラです。特に、大転子(大腿骨の上外側)が体の前に出ているのが分かります。
骨盤が後傾している原因は、股関節を伸展させる筋である殿筋とハムストの短縮です。
短くなった殿筋とハムストが、腰部を引き伸ばすため、腰全体に痛みが出ます。
また、腰椎の可動いっぱいに反りかえることになるため、さらに腰の下部にもピンポイントの痛みが生じます。
この姿勢の人が立った状態を続けることはとても辛いのです。
気づかない間に、体は上から重力で押されているからです。
重力の代わりに、頭の上から誰かに手で押さえつけられるのを想像してみてください。0度の姿勢であれば、びくともしません。
でも、お腹突出しの姿勢で頭を上から押されたら、さらに腰が反り返ることになり、痛くなりそうなことは簡単に想像できますよね。
楽して立とうとした結果、痛みがでることに
では、なぜ殿筋やハムストが短縮してしまっているのでしょうか。
この姿勢の人は腸脛靭帯という靭帯に寄りかかるように股関節を内旋位でロックしています。
靭帯に寄りかかっているということは、その分、筋肉を使わずに済みます。
だから、楽なのです。
具体的にどこが楽しているかというと、腸腰筋という筋肉です。
腸腰筋は、股関節を屈曲させる働きがありますが、お腹を突き出して立っている人の股関節は、常に伸展しています。(語弊があるかもしれませんが、分かりやすく言うと、股関節屈曲は前屈、股関節伸展は背屈をイメージしてください。)
本来、股関節屈曲と股関節伸展の筋肉がバランスよく使われることで0度の姿勢を保つことができるのです。
最初に、筋肉は万遍なく使われた方が良いことにも触れましたね。
しかし、お腹を突き出す姿勢だと、股関節屈曲の筋(腸腰筋)は使われず、代わりにその反対側で、股関節伸展の筋(殿筋・ハムスト)がいつも収縮させられていることになります。
こういう人が背屈の動作をすると、ハムストが攣りそうになったりします。(殿筋は、座ったりしたときに伸びる機会がありますし、攣る人は少ないでしょう。)
急に走って、後ろの脚で蹴り上げた時なんかにも、ハムストが攣る可能性が他の人より高まります。
また、楽をしているほうの腸腰筋は、鳩尾のあたりから始まり、脚の付け根まで繋がっている大きな筋肉です。上半身と下半身を繋ぐ重要なインナーマッスルなのです。
これがいつも伸ばされて弱まってしまうと、体幹にも影響します。
この姿勢をしていると、腰痛になるだけでなく、ハムストを傷めたり体の使い方が悪くなったりします。
ぜひ、すぐにでも姿勢を直していただきたい。
ちなみに、腸脛靭帯で股関節を内旋位でロックして立っている人は、つま先が内向き、または両足が平行になっています。
0度の姿勢では、つまり、真っ直ぐ立てていれば、足は逆ハの字になるはずなのです。両足のかかとがついて、つま先が外側を向く状態です。
勘違いされている方が多いのですが、つま先が外側を向いていることは、いわゆる「がに股」ではありません。
坂本選手の足も、立っているときは平行になっているように見受けられます。
腸脛靭帯に寄りかからず、しっかり腸腰筋を使って、真っ直ぐ立ってください、という願いを込めて僭越ながら本記事を執筆いたしました。
姿勢が悪いと言いまくっておいてなんですが、ディスってないです。応援しているからこそなのです!
とにかくがんばれー!!!!
(読売ジャイアンツ公式サイトより)
坂本が使っているという入浴剤(プロ野球熱血情報の情報)
体幹を鍛えて腰痛改善!
ストレッチインストラクター。13年間のデスクワークの後、ストレッチと体幹運動で重い冷え性と生理痛を克服。デスクワーカー向けのストレッチレッスンをしています。
主婦の友社のウェブメディア「OTONASALONE(オトナサローネ)」でヘルスケアライターとしても執筆中。